安さ第一の着物CL店きものクリーニングきもの医
は着物や客を選ぶ?

お客様は神様じゃないという考え

まことに恐縮ですが当店では『お客さまは対価を払い希望する品質を得る方』、と定義しています。

つまり昭和の時代に当たり前だった『お客様は神様だ』という考え方には賛同していないのです。当店の定めたルールに従ってご利用いただく限り、ご希望をできるだけ安価に実現いたします。

逆に・・・大変口にしにくいものの正直に言えば、当店のルール・システム・対応や『やり方』が気に入らない方には・・・最悪のお店と評価されるかもしれません。 実際にお友達やご家族、知人の方からの『当店の最悪さ』を深く確認していただければ・・・。そのほとんどが『納期がガマンならないくらい遅かった』、『説明がわかりにくく注文しにくかった』、普通に『ならちゃんと説明して!』みたいなメッセージを送ったら態度が豹変した・・・。そんな感じだと思います。
 感情的な評価をひと通り聞いた後、ぜひ確認してみて下さい。実際に利用した方なら『注文通りの品質提供は受けた』と回答があるはずです。なぜなら1年を通じ、他店でよくある「このしみは落とせませんでした」というケースがほとんどないからです。

当店は安く注文通りの品質提供をする事にこだわりすぎ、『お話が通じない方への対応があまりよくない』・・・、この点は甘んじて受け入れざるを得ない事実です。  

お話が通じない方は99%、(表現はお許しください)フツーの言葉で言う「お金持ちの方、常にチヤホヤされる立場」の方です。私どもはそうした方にも礼節を求めてしまうのです・・・。なぜならどなたにも等しく、注文通りの品質を提供しようとするからです。それには最低限の礼節が必要です。当店を利用する限りは。

着物の汚れ解決代・クリーニング代金がどれだけになってもさほど気にならない方は、接客対応に重きを置かない当店を避け、ぜひ高級店をご利用下さい。必ず・・・必ずやその方が気持ちよく着物トラブルを解決できるはずです。

サービス業の評価は利用したお客さま個々人の主観により決まります。それに異論はありません。

ただ当店も店としてご利用いただく方を選んでいる、それをご理解いただければ幸いです。なんでもありのこの時代、クレーマー気質の方のご利用を未然に防ごうとしている側面もあります。

当店ではお客様は神様ではありません。当店の定めたルール通りご利用いただける方にとっては良い店になるよう工夫している次第です。

当店へご相談の際はムズかしくお考えにならず、ご自身が希望する内容を下記のような普通の言葉でお伝えください。

着物のクリーニングの勉強をする必要はありません。

  • ○年○月○日までに戻してほしい
  • ○円までが希望
  • ○円を超えると出せない
  • 特定部分の見える汚れが気になる
  • えりの汚れが気になる
  • しわが気になる
  • アンティーク・中古着物でそでを通すのが気持ち悪い
  • 着物で一般的なクリーニングができれば良い
  • ニオイがキツくて着れない
  • たくさん汗をかいたから気になる
  • 丈を○○cm出したい、詰めたい
  • 幅を○○cm出したい、詰めたい
  • 反物を着物に仕立てたい
  • 水で洗いたい

「丸洗いをお願いしようと思うんですが・・・」とのご相談をよくいただきます。

しかし経験上、着物クリーニングで一般的な丸洗い(京洗い・生洗い・『屋号』洗い)の本当の中身を理解している消費者は多くない、と痛感しています。

それは着物販売店スタッフや着付け/お花/お茶/日本舞踊などの習い事の先生方やスタッフの方も同じです。

実はえりの筋状汚れなどごく一部を除き、正絹着物の見える汚れは手作業である格安汚れ落としえり拭き/えり洗い等部分洗い染みしみ抜き変色処理格安柄足しなどでの処置が必要です。

また仕上げアイロンだけのご利用も可能です。

丸洗いはえりやそで口以外の見える汚れをキレイにするのにあまり効果的だとは言えません。そのため当店では丸洗いセットを必須とせず、気になる汚れだけをキレイにしてとのご要望を広く承っています。

『本当に丸洗いで良いのですか?』と逆に質問すると、後に上記例のような本音を伺う事ができます。

上記例のような直接的な希望を伺う事で、ご相談者様にとって『迷う要素の少ないお見積り』が可能となります。

ぜひ上記例のような普通の言葉でご希望をお寄せいただき、余計な処置を含まない適切なお見積りをお受取り下さい。


高度なおもてなしに慣れた方は
ガマンできるか・・・どうか?

安さを品質と同質にうたう店
応対力は提供品質は

接客対応サービスの店

ご利用いただく全てのお客さまに圧倒的安価で最高の着物しみ抜き・着物クリーニング品質を提供したいと考えています。

この考えには一切のブレはありません。当店の存在意義そのものの考え方です。

着物に不慣れな着物初心者の方こそ発見した汚れにおどろきあわて、素早い対応をお求めになります。

ご相談対応は先着順で、先にいただいた方から順に対応いたします。

また緊急時のかけ込み寺的発想サービス・着物特急仕上げサービス向けにもうひとつの受注ラインがあり、こちらを最優先処置しています。

この2つの受注ラインは上得意さまもご新規の方も等しく先着順対応を徹底しています。いわゆる個人的感覚でのえこひいきを組み入れない方式です。いつも先着が最優先、なシステムです。

どなた様に限らず淡々とご注文順に「最高のコストパフォーマンスを提供」する、しようとする着物専門クリーニング店で、ここが誤解を受けやすい部分なのかもしれません。

「最高のサービスをどなた様にも!」というより「着物の汚れを安い料金でキレイにする事に全ての資源を投入している着物専門クリーニング店」です。

そのためおもてなし的な意味での接客対応は着物を専門に扱う業者としては「並」だと自己評価しています。

お客様と店は対等

お客様は神様ですシステムは否定

日本国内における従来型の『お客さまは神様です』との信仰のような常識は、恐縮ですが当店では持ち合わせておりません。

お客さまは『お客さま』として扱わせていただいています。
『お客さま』とはいったい『何さま』なのでしょう?

利用したり、されたりの
イーブンな関係

一部ラーメン専門店では上から目線のお店があると見聞きします。男性特有のツッパリ?意識なのか、「ルールを守らない客は客じゃない」との事。

例えば食べ残したり、独自ルールにそった注文でなかったり、注文した食材を撮影しようとすると怒られたりするそうです。

私どもは『店側=サービス提供側』が『お客さま=サービス受領側』に対する、この手の「逆ギレ」ともとれる対応には同じようにサービスを提供してお代をいただく生業なりわいものとして、まったく共感できません。あり得ないとさえ感じます。

一般的に公平に見て『落ち度のない』所作をしたお客さまへ独自ルールを持って上から目線で店側が強く横暴な言葉を投げかけるやり方には、見聞きするたびに正直怒りを覚えるところです。

お客さまは対価を支払ってサービスを受ける、
お店は対価を受け取ってサービスを提供する 。

私どもはただそれだけの関係性のはずだと考えています。

お客さまとお店はサービスのやり取りを行う上で対等で、どちら一方が上位ではないという考え方であり主旨です。(表現でご気分を害した方にはお詫びいたします)

ですので冷静にご相談いただければ冷静に、かつ真摯しんしな対応をもってコトに当たらせていただいております。

ただ ───
逆もしかり、なのです。

理不尽な振る舞いふるまいの方は利用をお断りします

着物業界、たくさんある着物販売店や着付け教室・着物の習い事などでは『着物を売りつけたいと考えられる理不尽なセールスにあってしまった』との声が山のようにあふれているようです。

この逆で、お客さまが理不尽な要求やご依頼をしたら ───?

当店ではそのような場合、ご利用自体をお断りしています。なぜなら理不尽な要求や強いお言葉を投げつけられる理由が無いと考えているからです。
 誤解のないよう補足します。当店のサービス内容にどう考えても落ち度があった際、例えば染み抜きをご依頼いただいて「成功しました」と納品後、「指定してたしみがそのまま残ってた!」ような場合でもそれがミスであるならば、当店に非があってもお客さまが極度に感情的になっていると判断した際は『理不尽な対応』と受け止めます。
 つまりミス、知らずに落ち度があったとしても、感情的な言葉をいただくいわれは無いと判断しているのです。

前述の通りお客さまは代金を支払ってサービスを受けるだけの方、私どもは料金をいただいてサービスを提供するだけの者で、どちらか一方がミスをしたからと言って感情的な物言いを受ける理由は無いと考えているのです。

ただし ───。
 スタッフが悪い気持ちでお預かりした着物に穴を故意に空けた、
 一般常識で考えてあり得ない行動で粗相そそうをした、
となればお叱りは受けなければならないと考えます。

その上で申し上げればお客さまも私ども同様、常に冷静な対応が必須なお店である、当店はそのようなお店です。

冷静な対応には冷静に対応させていただきます。もちろんサービス提供者として『次回利用していただけないような事態』にならないよう心がけております。

世間で言われているように『だまして着物を売りつける、高額なローンをその場で組ませる、そうしないと帰れない雰囲気を作る』ような事を仮に当店がしたら?

その時はぜひ警察や消費者センターに相談しましょう。

けっしてミスを隠すためにお客さまを『利用不可』にはいたしません。冷静な対応さえしていただければお客さまとして、感謝の念を持って対応させていただきます。

リスクの高いサービス利用には
リスクの理解を得た上で受注

当店が提供するサービスの中には当店がオリジナルで開発したサービスがいくつかあります。

そのうち特にみず洗いにはさまざまなリスクをご理解いただいた上でご利用ください、との規定をもうけています。

2023年現在、2千円~3千円台で正絹着物をみず洗いするサービスを行っているのは世界中で当店だけです。

理由は簡単です。これくらいの安さでみず洗いしてもお店側に旨味はないでしょうし、提供品質に対するクレームの嵐で「やる意味なし」と判断するのは当然ともいえるからです。

当店が数千円で正絹着物をみず洗いを始めたのはきっかけがあったからです。一部のお客さまより「多少縮んでも着れたらごちゃごちゃ言わんから、汗抜き安くしてよ!」との強い要望があったから。

それほど希望するのなら・・・と開発し、現在に至ります。

みず洗いコースには○○と○○と○○などのリスクがあるのでどんな着物でも、という訳にはいかないし、どなたにでも合うクリーニング方法ではありません。リスクをご了解いただいた場合にのみご利用いただけるコースです。

これは食品の成分表と同じ主旨のものです。

この○○には以下の成分が含まれています。

・○○添加剤

・食用色素○色○号

・人工甘味料

・酸化防止剤

もし食材にこのような表記がなければ・・・安心して口に入れる食材を買えなくなってしまいます。

みず洗いAコースも同じで、「なるほどそういう危険があるのね」とご理解いただいた上でなければ後々トラブルや後悔につながり、サービスを提供する側としてはいても立ってもいられない苦境におちいってしまいます。

「このルールを理解しないと注文できません!」
ではなく
「このようなリスクが起きるかもしれませんが注文いただけますか?」
と確認した上で注文を受けるシステムをご理解いただいた上でご利用くださればとの思いです。

着物みず洗いで起きた実際の
クリーニング・トラブル

実際のトラブル内容

格安着物みず洗いは縮み・型くずれの補正が含まれないため、若干の縮み・型くずれはそのままで納品となります。

ご利用いただいた方から様々な事由でお叱り・苦言・ご提案を受ける事があります。

これからご紹介するのは格安着物みず洗いのご注文を受けるべきではなかった、本来なら和裁で補正を組み合わせた内容でのご利用を促すべきだったご注文の悪例の紹介です。

全面的にお店側に非があった例として、
強く記憶に刻んでいる例でもあります。

格安着物みず洗いだけ
より和裁セットみず洗いコースを
オススメすべきだった例

※2021年初頭までは着物みず洗いはABCの3コースでした。現在の着物みず洗いはAコースに当ります。Bコースはお直し付き、Cコースはお仕立て直し付きというラインナップでした。

初めてご利用いただいたお客さまで、格安着物みず洗いクリーニングをご注文いただいた際の例です。

ご相談当初より納品後にいたるまでうまくかみあわず、お客さまには不信感を抱かせてしまった上納品スケジュールでもご迷惑をかけてしまいました。

私ども店側は数万円を損する結果となりました。

お客さまも店側も、損をしたお話です。
(最終的にお客さまの損は回復しました) 

格安着物みず洗いAコースではなく、
最初からBまたはCコースをご注文
いただくべきだった着物・お客さま 

※最新の注意を払って記述していますが、内容に気分を害する可能性があります。

自己責任で読み進めてください。

ご新規さまのトラブル防止策
無料の補正を決心

上の章「①実際の注文時やりとり」の中で普通にみず洗いAコースだけで処置を終わって納品すれば大きなトラブルになる、と判断しました。

「キチンとみず洗いのリスク・デメリットや汚れ落とし・しみ抜きの費用をご案内できずに受けてしまった特例注文」として、少なくとも最低限納得を得られるように補正を行おうと決め、作業に入りました。

以下、無料で処置した内容と、通常ご注文時の参考料金です。

みず洗いによる着物の変化と
無料で行ったトラブル防止補正

着物の変化 変化内容詳細 無料補正内容

(1) 色にじみ
表地の八掛縫い目にモヤモヤ色にじみ

事前予測通り、色止め加工されていなかった八掛布地より表地に朱赤の染料がモヤモヤにじみ出るトラブル。

みず洗い直後に色にじみ処理を即開始、よく見ないとわからないレベルまでにじんだ染料を除去。縫い糸に強めに色残りあり。
●正価:9,600円

(2) 身丈の縮み

ほんのり裏地にたるみ発生。表地が縮んで裏地が余った現象。身丈はおそらく15ミリ程度縮んだと思われる。

縮み防止加工を駆使し、和裁以外の方法でできる最大限の復元加工で仕上げ。
●正価:3,200円

(3) しみ残り

実はたくさんのしみ汚れ(えり/両そで/上前胸/もも/おしり他)があったもののしみ抜きのご注文がなかったためみず洗い処置のみで残った。

厳密にはトラブルではなく注文がなかったため汚れが残っていた。

おしりの経血や前身頃を中心に広がった変色処理が必要なの古いしみはともかく、通常しみ抜きで除去できる範囲の汚れをしみ抜きで処理。ほぼ除去できた。
●正価:8,000円程度

「これで問題はないはず」
と判断した結果が生んだ事件

上の表にある通り本来の裏地付着物のみず洗いAコース料金は2,400円ではなく2,900円※1で500円勉強させていただいた上で、3つの補正合計21,000円※2を合わせ処置が終わってご返送する時点ですでに2万円※3ほどの赤字でした。

※1当時は濃色で差し色八掛の袷着物も2,900円で受けてました。

※2個別で計算すると上記料金ですが、実際のご注文時では16,000円程度になったはずです。

※3この時点ではお客さまに請求できる金額は2,400円だったため。

ご返送する時点では赤字が確定していたものの、「これも勉強だ」と考え梱包し、発送したのでした。

ご注文から3週間が経過した頃の納品で、お約束の納期からすれば早くもなくおそくもなくといったところで「ようやく終わった」と全スタッフが気持ちを新たにして次の仕事に取り組んでいました。

クレームを納得に変える
目的で行った復元措置

最低限信用を取り戻すのに
必要だった無料の追加補正

【補足】(1)~(3)の状態の補正は本来有料でご注文いただくものです。

当店独自の検証では、八掛という裏地に使用される布地はみず洗いによる色落ち確率が高いと判定しています。

そのため特に差し色づかいしている場合は色にじみ防止加工など追加処理のご注文をオススメしています。

例)淡いベージュ着物に対して真っ赤な色目、濃紺着物に対して薄い黄色の色目など、表地の色目に対して対照的で目に飛び込んでき来すいよう目立つな色使いにしている裏地付着物

(1) 表地の色にじみ完全除去

みず洗い後の無料処置ではよく見るとすそフキやそで口など、八掛裏地の縫い糸が八掛からの染料にじみで染まっており、表地の縫い目のフチ1ミリ程度にも染料がにじみ出ていました。

大きな問題なく着用に影響はないと判断して納品したものでしたが、結果は惨憺さんたんたるものでした。

そこで完全処理を目指し、作業を行いました。

処置した補正内容

みず洗い処理を数度、色にじみのしみ抜き処理を繰り返し、表地にひびいた色にじみを処理し、完全に染まった状態になった八掛の縫い糸をほどいて新たに縫い直しました。

→問題なく着用できるレベルに

→もしこれが正規のご注文なら料金は14,000円でした。(色にじみ防止加工を節約した際のトラブルは、とても高くつきます)

この費用は色にじみのしみ抜き料金のみを算出したものです。和裁の費用は次の(2)に合算してご案内しています。

(2) 表地身丈縮みを元に復元

全体的に身丈が少々縮んだので乾燥とアイロン仕上げ時の工夫である程度元に戻る、これが格安着物みず洗いAコースの安さゆえの特徴です。

着用に問題はない程度の復元、というのは当店規定によるものです。原寸に近いかどうかの感じ方は主観で感じますので、結果の見方はお客さまの判断で人によります。

先の納品時には今のみず洗いAコースでも採用している「和裁を用いず他の方法でできる限り元の寸法に復元して納品する」方法で仕上げて納品いたしましたが、少し表地が縮んでいたのは事実でした。

この例ではその「特徴」を含めたリスクをきちんとお伝えできなかった落ち度があります。そこを深く反省し、完全な原寸への復元を行いました。(みず洗いCコースの処置内容)

みず洗いAコースのリスク・デメリットとちゃんとご理解いただければ、おそらくAコースではなくB/Cコースや再検討、またはご注文キャンセルになったはずだと考えています。

処置した補正内容

→「かぶり」と言われる裏地のたるみじわをなくすため部分的に縫い糸をほどいてすそフキを調整、仕上げアイロンで寸法を採寸し、裏地に合わせた寸法へ再仕立てに近い和裁作業で復元しました。

 当店は和裁作業を全て資格を持つ本格和裁士さんに依頼しています。

→問題なく着用できるレベルに

→正規のご注文なら当時の料金で18,000円でした。

この費用は八掛すべてのほどき・縫い直しの料金のみを算出したものです。2019年現在では13,000円程度です。

(3)注文のなかったしみ抜き処理

こちらのお客さまはおそらくみず洗いAコースだけでえり・そで・上前胸/もものあたり・左右そでの黄ばみ汚れ・おしりのキツい輪じみがキレイにできる・・・と理解されてご注文いただいたと思われます。

この点は当時のホームページでもきちんとご説明していたものの、よくわからないままご相談・お申し込みいただく事は現在でも多く、ホームページだけではなかなかお伝えしきれないとヤキモキしている点です。(そのため日々わかりやすく改善を図っていますが追いつかないが現状です)

ご注文申し込み時に最後のトリデよろしく、きちんとご理解いただけるよう説明できなかった店側の落ち度です。

お預かり時の着物の状態はかなり悪く、汚れはざっと20ヵ所程度ありました。

最初の処理時に15ヵ所ほどの簡易なしみ抜きで落とせる汚れは無料でキレイにして納品していましたが、変色処理には脱色や染色補正など追加の作業・費用が考えられたため、あえて処理せず納品したのでした。

実際、ご注文内容はみず洗いAコースのみだったため本来は最初からしみ抜きをする必要はなかったのですた、どうせやるなら完全に処置すべきだったとの反省がありました。

 目に見える汚れは まる洗い・みず洗いなどの全体洗いだけでは落とせず、通常は個別にしみ抜き・柄足しなどのご注文があった場合のみ処置いたします。

処置した補正内容

やりとりした内容からこのお客さまは丸洗いクリーニングに慣れているか丸洗いクリーニングに出された経験がありそうだ、と感じていました。

○○着物クリーニング店さんに出した時はキレイになって帰ってきたのにきもの医にまかせたら汚れが一切落ちてなかった!

そんな風評被害もどうか?と考え他店と比較されて「汚れが落ちてない!」とのお叱りを回避するため、残る変色汚れにしみ抜き+漂白の変色復元措置と一部脱色には柄足しを加え、写真で見比べなければ違いがわからない程度に美しく仕上げました。

→「他店での丸洗いクリーニングだけ」と比較しても『丸洗いだけでこれほどキレイにできるわけもなく』、胸を張って「キレイになりました」と言えるレベルに到達

着物の汚れを安くキレイにする宣言をしている当店にとって、当時のご注文最高額に近い程度の額がかかったのでした。(かかった費用はあえて伏せます。)

お客さま・着物を選ぶみず洗い
お店そのものにも向き不向き

この例のトラブルは 当時の当ホームページ上の説明内容に最大の要因があったのです。

そのためお客さまとのトラブルを防ごうと判断し、最終的に損を覚悟で無料で、そして独断でいくつかの処置を加え、納品して事なきを得ました。(結果的に2度目のご相談はいまだに無い状態です)

現在格安着物みず洗いコースのご利用には「みず洗いの注意点まとめページ」を読みご了解いただいた上でなければ利用できなくシステム変更したのは、この事件が大きく影響したのでした。

このケースの最終的な分析結果は次のようなものでした。

お店側の非は「事前説明の不備」
お客さまの非は「内容への理解不足」
だった

着物や着物の状態、ご利用なさる方の性格などにより当店とはマッチしない、合わない事はある、と理解に至りました。

誤解なきよう願いたいところではお客さまに落ち度があると考えてはおりませんし、お店には悪意は無いという点です。

もっとも考え方に近い表現では次のようになります。

高級店のおもてなし、いつどんな時に来店や連絡しても、その時に居る最高責任者が応対に出る ───このようなおもてなしに慣れた方の一部には、当店のような小店の説明を聞いていただけない場合があり、その場合は慣れ親しんでおられる高級店のご利用を促す事にしています。

なにを店の都合ばっかり言ってるの?
言い訳ばっかり!
縮んで型くずれするような未熟なみず洗いコースの注文をとる事がどれだけおかしいか気づかないの!?

大変申し訳ありません。そのような評価を受けているのは存じています。

一部の方だけかもしれませんがみず洗いAコース「それで格安料金でやってくれるならOK!」との評価を受け、実際に多数のご注文をいただいていいるのも事実なのです。

縮み・型くずれなどのトラブルを最小限にするにはみず洗いAコースを除くB/Cコースが適していると思います。ぜひ詳細をご覧いただきご検討いただければと存じます。

繰り返しになりますがこのページをご覧になってご気分を害されたとすればお詫びいたします。けして悪意を持ったご案内ではありません。なにとぞご容赦下さいませ。

お話を聞いていただけない方の
注文こそ高級店の得意分野です

実際の現場での対応でもっとも変わったのは、当店担当者の判断で「ムリなご依頼」や「説明・案内への理解を示していただけない場合」などは、ご注文そのものをお断りするケースができた事です。

当店が注意をうながしたり説明を聞いていただきたい背景には正絹着物のクリーニング業の苦しい部分があります。

必ず期待に応えなければならない、そのためには事前に費用をつまびらかにしなければならない、作業にまつわるリスクやデメリットをご理解いただいた上でご注文いただかなければ、「こんな風な結果になるとは思わなかった!」との後悔を生んでしまう業種 ───。

お客さまの大切なお召し物を再生する係としては、説明を聞いていただく事なにより大切なのです。

これから初めてご利用になる方は、当店から何かしらの説明がある際は聞いていただきご理解くださるだけですので、本当にお気軽にお声がけいただければと願っています。

このページのケースはレアケースですが、一定の割合でお問い合わせのあるケースでもあります。

お話を聞いていただけず
取引キャンセルとなった例

2019年2月、京都の方より特急5日仕上げでの正絹・訪問着の丸洗いクリーニング依頼がありました。

結果的に取引キャンセルになった経緯は次のようなものです。

日時 やりとり
2/17(日) ご注文お申し込みフォームよりお申し込み
  特急5日仕上げという緊急性の高いご依頼のため、希望納期、クリーニング内容の希望、いつ当店へお着物を発送できるかを質問
2/19(火) ・3月始めまでにほしい
・2/23(土)までに発送できる
・とりあえずクリーニングしたい
  上記内容では特急5日仕上げで対応できない可能性があるため再確認
・着物の種類
・○月○日○時までに受け取り希望と具体的な日時
・丸洗い・みず洗い・汗抜き・しみ抜き・キレイにしたい汚れがあるなど、具体的なご希望の作業内容
・具体的な当店への着物の発送日時
・特急仕上げは前払いになるご確認
2/20(水) ・正絹の訪問着
・3/2(土)までに受け取りたい(時間指定なし)
・丸洗いしたい
・23日(土)午前中までに発送できる
・特急仕上げの前払いは理解した
振込はどのようにすればよいですか?
  以下の内容でご注文受付完了しました
・3月2日(土)中に納品が最終締め切り
・当店に25日(月)までにお着物が到着、当日中にご注文内容確定
・正絹の訪問着の特急5日仕上げ+丸洗いクリーニング(しみ抜き不要)
・利用料金8,237~8,910円
※ご返送がエコ配かゆうパックかで料金差あり
2/22(金) ○○銀行へ振り込みます。振込先を教えてください
  振込先がわかりません
  (口座情報をお知らせ)
※まだ振り込まないでください
→着物をお預かりしてない現在は料金が未定。着物受け取り→(本)お見積りのご案内→ご注文確定→お振込み→作業開始→納品の流れです。
2/23(土) 振り込みました。着物はどぉやって 送ったらいいですか?
  ※土日は定休日で返信できず
2/25(月) 返信下さい。
  (緊急に電話で)振込は困ります。着物は送りましたか?
今日昼過ぎに送ります
『これは注文を受ければどんなトラブルになるかわからない』→取引をキャンセルさせてください→すぐに返金します
なぜ怒り口調で話されるのか意味がわからない

ご利用の際にはぜひ、聞く耳をお持ち下さいますようお願いいたします。

着物の汚れを安くキレイにする店として、いつでも気軽に相談したり利用したりできる店でありたいと、強く願っているところです。

特に格安着物みず洗いAコースは、少しだけ縮んだり少しだけ型くずれしたりするのを許せる着物に限り注文可能なコースです。

縮み・型くずれが起きてはお召しになれない着物へは、格安着物みず洗いB/Cコースをご検討ください。一見1万円超え、2万円超えで割高に見えますが、洗い張りして再仕立てするより何割もお得な料金にきっとお気づきいただけるはずです。

 要約するとこのようなご案内になります。

ご理解を深めていただけたとすれば幸いです。

きもの医のホームページをご覧くださりありがとうございました。
m(_ _)m