着物のクリーニングをどこにお願いするか?
着物洗い料金? 広告の内容?
・・・何を選ぶ基準にして選んだら?
着物クリーニングの代名詞・着物丸洗いクリーニングは注文すれば着物の全ての問題が解決できる、全知全能の神のような処置ではありません。
まったく厚くない時期の2日ほど前に5時間ほど結婚式で着た着物なら丸洗いで解決できる可能性は大です。
ところが胸元、そで/そでたもと、背中、前身頃、見頃の脇、後ろ身頃、すそなどにできてしまった原因がハッキリしない汚れを処置するには、丸洗いクリーニングだけでは能力不足と言わざるを得ません。
着物クリーニングを成功させるのにもっとも重要なポイントは着物をなぜクリーニングしたいか、その目的を明確にハッキリとさせる事です。
目的がハッキリしていればメモに書き出し、優先順位をつけます。そしてその優先順位順に着物専門クリーニング店に相談する ───
当たり前に感じるかもしれませんが、なかなかこの事前準備をされているご相談主は少ないのが実情です。
そのためムダなクリーニング代を支払っていたり希望する目的(特定部分の汚れをキレイにする事)を達成できず、「クリーニングして失敗だった!」と不満を募らせる方も実際いらっしゃるのです。
着物クリーニングのお店選びの際はぜひ、まずクリーニングの目的を書き出しましょう。
例(優先順位順))
(1) えりの筋っぽい黒ずみ、汚れ
(2) 右そでたもと(そでの下)の汚れ
(3) 右胸の赤ちゃんのよだれ汚れ
(4) 前身頃・帯のすぐ下の食べこぼし
(5) ・・・
「丸洗いがしたんですっ!」これも立派なクリーニングの目的です。優先順位のどこになさるかでクリーニング料金総額に影響しますので、丸洗いについてもきっちり優先順位付けを行いましょう。
着物クリーニング店を探す目的は?
正絹着物をご自身の予算内でキレイに処理してくれるお店。
当店はそんなお店を目指しています。まずは宣伝で失礼しました。
皆さまはどのような基準でお店選びをされていますか?
昔はよく着物を購入していた呉服/和服店や店員さんや知り合いから得た口コミや紹介が着物クリーニング店探しの中心でした。
今やインターネットやスマートフォンの普及によりホームページの内容や丸洗いクリーニング料金などを見てお店を決めるのが当然とされる時代に変わってきました。
これまで丸洗いクリーニング料金を元に着物クリーニング店選びを経験したきた皆さま、着物クリーニング結果に満足されましたか?
品質、その費用はいかがでしたか?
正絹着物のまる洗いクリーニングはざっくり言って状態の良い着物専用クリーニングコースと言えます。詳しくは丸洗いクリーニングで着物はキレイにできるの?をご参照ください。
丸洗いの目的は軽い皮脂汚れを中心に落とし仕上げアイロンをするというものです。
いわゆるハードな汚れ、数年以上放置されたキツい皮脂汚れ、以前はなかったはずの黄色い汚れや茶色い変色、汗など少しでも水分を含んだ汚れ、その他食べこぼしなどの汚れなどを落とす能力をそもそも持っていません。
ですので軽い皮脂・油性汚れがほぼない、それでいてあちこち黄色い汚れや汚れの縁が丸くクッキリした明らかに水を含んでいた汚れなどを落としたい場合、丸洗いでのクリーニング効果はほぼ実感できないものになってしまいます。
悲しい事実です。実際には着物クリーニング店をお探しの際、丸洗いクリーニング料金をお店選びの動機にされている方が大多数なのです。
丸洗いでは落とせない汚れのクリーニングを丸洗い料金を基準に選んでいる ───これではとても個別の汚れをキレイにしたいとの目的は果たせません。
つまりかけえり・そで口など皮脂汚れができやすい部分の軽い皮脂/ファンデーション汚れを除き、丸洗いクリーニングはミスマッチなのです。
かけえり・そで口以外の汚れ処理はしみ抜き・柄足しをベースにご検討するのがベストなのですが、なかなかその情報が正しく伝わらないジレンマを抱え、今日も着物を安くキレイにしています。
きもの医のホームページをご覧くださりありがとうございました。
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