着物丸洗いクリーニングを
本当に「注文」したいですか?

業界関係者様へのご挨拶

このページは誤解を与えるかもしれない事は承知で、一般消費者の皆さまに丸洗いクリーニングの洗浄力をできるだけわかりやすくご案内する事を目的としています。

当店でも扱う着物丸洗いの注文数を減らすなんて事は、商売人としてはいたしません。ご注文は皆さま同様いただきたいと考えています。

もしこのページでご案内する『丸洗いの工程や洗浄品質にまつわる解説内容』が御社で提供している内容と「相当かけ離れた内容」であればお知らせ下さい。

着物丸洗いを正しくご理解いただいた上で一般消費者にご活用いただけるよう、御社が申し出られる『御社なりの丸洗いのやり方』を実名でこのページで掲載させていただきます。

競合他社様への悪意は一切ありません。その点ご理解いただきご容赦いただければ幸いです。

★★★結論★★★
丸洗いの洗浄品質は高くない

丸洗い汚れた着物をキレイにする
ための方法としては能力不足である

※着物専門クリーニング業界人の誰もが知る事実

着物丸洗いはドライクリーニングがベースの工法です。

多少手作業もあるのでドライクリーニングだけに比べるとコスれついた山の筋状汚れやそで口内側の皮脂汚れは落ちやすいのは確かです。でも、それ以上の洗浄力を持たないのが丸洗いなのです。

結論をざっくり言ってしまうと「着物丸洗いはドライクリーニングに毛の生えた程度しかキレイにできない」、というのが真実です。

ドライクリーニングの洗浄力はポジティブな表現では「優しく洗い上げる」、ネガティブな表現なら「これ洗ったの?」と疑いたくなる品質です。どちらも正しい表現です。洋服を街の安価なクリーニング・チェーン店に出せばレーヨン・麻・シルクのブラウスはドライクリーニング処理するお店が多いようです。

ドライクリーニング品質は非常に説明しずらいもののひとつで、「汚れが落ちていない事に気づいた経験者のみ知る品質」と言えると考えています。

本来「洗濯する」という言葉は「水で洗う」事を指します。ただ様々な理由でカンタンに安く水で洗えない衣服を中心にドライクリーニングは普及し、今では一般的とも言えます。着物の丸洗いも安く水洗いしにくいアイテムとしてクリーニングと言えば多くが丸洗いに出されています。

着物の丸洗いを深く知っておこう、という気のない方は「着物丸洗いはドライクリーニングに毛の生えたもの」、この結論だけでも知っておいて下さい。このページをご覧になった事がポジティブに残ります。

この真実を知っているだけでも今後着物を丸洗いに出した後、後悔を感じる経験を回避できるかもしれません。

このページの情報にネガティブな誤解を受けるかもしれません。ですが信じて下さい。

「知る」と「知らず」では、得られる結果が天地ほどの差がある事を。

消費者と技術担当者の知識の違い

着物の丸洗いクリーニングはとても誤解されています。

50年も60年も着物丸洗いクリーニングをやっているにも関わらず、着物を日常的にお召しになる方がどんどん減り続け ───。

その結果、正しい情報がまるで暗黒時代のような広まり方になってしまいました。

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着物のクリーニングと言えば洗い張り、またはお家でお母さんやおばあちゃんが板を使って洗い張りしてた時代に丸洗いは爆発的に広がりました。

なぜなら当時の庶民の方でも手が届く価格で普及したからです。

2021年の貨幣価値で例えるとおそらく1.5万円くらいで利用できたのではないでしょうか。

いかがでしょう?洗い張りは当時、業者さんに出せばもろもろ全部の費用を足して今の貨幣価値で3~8万円くらいかかっていた時代です。

近所の知人が和裁をやってて個人で安く請け負ってくれるケースもあったとは思いますが、結局1.5万円くらいで手が届く価格で洗い張りのように「クリーニング自体を断られる品が少なく」、しかも超安全なクリーニングとして世間に広まりました。

そして何十年も経った現代では「着物クリーニングの定番と言えば丸洗い」と呉服販売関係者が口にします。

「いや~、やっぱり着物のクリーニングは洗い張りですよ」と勧めるのは洗い張り店様や洗い張りを中間で取り扱う業者様がほとんどのはず。洗い張りの真価をしっかり理解すれば本当に大切な着物の何年かぶりのお手入れには「洗い張り」となるはずなのですが・・・。

消費者が想像する丸洗い品質

着物定番の洗い方ですごくキレイにできるんでしょ
実はこのお考えが大きな誤解なのです。

丸洗い担当者が知る丸洗い品質

・・・ん~それはケース・バイ・ケースなんですが・・・
また一から説明して理解してもらって・・・

知識がある方には選択肢の一つ

丸洗いの洗浄力、提供品質を正しく知ると「なぜこれまで何も考えずに丸洗いに出していたんだろう?」と、後悔される方が続出すると思います。

このページではそうした後悔する方をなくすべく、着物専門のクリーニング店としてしっかり正しい丸洗いの洗浄品質をご案内いたします。

丸洗いの正しい選択キーワード

ついこの間着たから洗っておこう

洋服のクリーニングを定期的に出される方に多いこのキーワードは「丸洗いが最初の選択肢になるかな?」と受け止められます。

実際に食べこぼしや汗汚れなど特定の「目につく汚れがなければ」丸洗いで十分と言えます。・・・本当にクリーニンする必要があるかどうかはともかく、お客様がクリーニングしたい、と考えた理由がこのキーワードなら丸洗いで十分でしょう。特定の汚れがない限りは。

全体的に汚れがないけどひとまず洗っておこう

プロの業者としてこのキーワードは「丸洗いにもっともふさわしい選択方法」だと声を大きくして発信いたします。・・・逆に言えば「すぐにクリーニングする理由がないのに丸洗いクリーニングするのですか?」業者としては売上になるのでウレしいのは確かなのですが・・・。

縮んだり色落ちしにくい安全性がある

着物丸洗いの最大の特徴は超がつく安全性です。

丸洗いでトラブルが起こるお品はそもそもの造り手の問題、もしくは保管状態や着物そのものの年齢による劣化が原因だと断言できるほどです。

「とにかく安全にクリーニングがしたい 安全にキレイにしてくれるとは言っていません。要注意です。」というニーズにもピッタリの着物クリーニング法ではあります。

丸洗いの誤った知識

「丸洗いは着物の汚れを安くキレイにしてくれる救世主でしょ?じゃないと定番にならないものねぇ?」

→いいえ。

着物丸洗いは特定の目的だけに叶ったクリーニング方法で、なんでもかんでも丸洗いでキレイになるとは・・・。

いえ、誤解を恐れず言えば丸洗いでキレイになるのは上記キーワードのうち「全体的に汚れがないけどひとまず洗っておこう」という時に利用しないと、納品時にガッカリされるケースがとても多いクリーニングです。

消費者の皆さまは「丸洗いでキレイになるんでしょ?」と考え、注文を受ける店では「丸洗いだけでキレイになる着物はかなり少数派なのです」と知っています。

ここに着物丸洗いの大きな問題があるのです。



着物丸洗いはほぼドライクリーニング

丸洗いは2つの洗浄法の組み合わせ

1.汚れやすい部分を先に手作業で処理
2.ドライクリーニング   
※大多数の着物専門クリーニング店が採用する方法です。
「1の処置」があれば丸洗いと名のれるとご理解下さい。

 これをぜひ覚えておきましょう。とても重要です。

丸洗いは業界トップの共通用語

丸洗いの洗浄力がかかえる大問題をご案内する前に少しだけ丸洗いのおさらいをご案内します。

着物丸洗いにはルールがあり、ルールにのっとって作業する事で名乗れる着物クリーニング法です。

丸洗いはドライクリーニング前に汚れやすい掛衿かけえりの山の部分やそで口内側、また静電気をまといホコリなどがたくさん吸い付いてしまう周辺部分をベンジンのような水を含まない溶剤で手作業で洗い、最終的にドライクリーニングして仕上げる着物クリーニング工法です。

着物専門クリーニング業界ではどう認識しているか ───?

着物クリーニングのド定番・丸洗いはプロの着物専門クリーニング業界内では「丸洗い」が共通用語です。

若い技術者やスタッフのいない現場ではもしかすると丸洗いと表現していない可能性はあります。ですが日本全国で着物クリーニング技術者の中ではやはり丸洗いは共通用語で、「丸洗いした」と聞けばどんな処置をしたのかが誰もがわかります。

お店により京洗い、○○洗い、メッチャスゴイ洗いなど、ネーミングは幾多あれど、ほぼ丸洗いルールの範囲内での処置だとまず知りましょう。

ネーミングの功罪

ユニクロ感動パンツの例

ユニクロさんの「感動パンツ」というネーミングのパンツを機能的に説明してみましょう。『はき心地にこだわったストレッチ性のある、年々進化した軽いパンツ』です。

普通の言葉では「ストレッチ性のあるパンツ」ですが、ユニクロさんでは「感動パンツ」とネーミングしています。要は「より売れるように考え出されたネーミング」です。

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もし「感動パンツ」がバカ売れしていて競合他社様の商品より人気を集めているとすれば製品の良さもさる事ながら、ネーミングの功、とも言えます。

著名なコピーライターさんが目をみはる高額な費用でコピーを考え出し提供する事から考えれば、ネーミングはとても重要なのでしょう。

感動パンツはネーミング・価格性能比・ブランド力が上手にまとまった商品例だと思います。

競合各社のストレッチパンツと本当にどれだけの機能差があるのかは実際に商品を買い、長い時間をかけて比較してみないと実際の商品力は誰にもわかりません。

「感動パンツ」を買った方が「これは良い」と感じ、時々行われる1,000円引きキャンペーンで「それならまとめて買っておこう」戦略が見事にハマった好例だとも受け止めています。

今年のももの太さやすその太さ、トレンドの取り入れ方、製品の色、質感・・・評価ポイントは様々あれど、消費者はある意味正しく理解しています。

「感動パンツ」は要するにストレッチパンツの一種と知り機能や見た目が良ければオッケー、くらいの受け止め方で売れているのでしょう。

でも購入者の中には失敗したと感じる方もいらっしゃいます。

あくまでも想像ですがあまり深く考えず、ユニクロさんなら私はSで、私はXLでピッタリだからと、いつものパターンで適当に購入した結果、失敗したとお感じになっているのでは?と考えてしまいます。

つまり商品知識をしっかりと把握せず、習慣で周りも高評価だからといった理由で「つい」利用してしまい・・・。

後悔した時、後々あらためて思い返せばこうした経験を持つ方も多いのではないでしょうか?

着物丸洗いも同じなのです。

現実的な誤解の元のひとつ

前の章で説明した通りユニクロ感動パンツは分類的に言えばストレッチパンツの一種です。
 そして着物丸洗いは着物クリーニングの一種です。

着物丸洗いにはお店によりいくつか特徴のあるネーミングでサービス名を表しています。京洗い、生洗い、○○洗い ───私どもが知る限り、これらはすべて丸洗いの一種と言えます。

丸洗いですら正しく理解されていないのに、一部の企業でオリジナルサービス名として発信されより消費者の皆さまに丸洗い系処置の本当の提供品質が伝わらない現状があるのです。

丸洗いのうち全体を洗う工程は当店では『ドライ洗い』として区別しています。丸洗いも京洗いも○○洗いも全てドライ洗いで処置します。

丸洗いのオリジナルネーミング

大ゼイタク超スーパーウルトラ洗い
京都方式ベテラン国家資格者最高洗い
染み抜きしみぬき付き追加料金なし洗い
きもの医最高性能洗いクリーニング

「京都」という名称自体が着物にとってはブランド!
(京都じゃないけど)
異次元品質・本格洗いの京洗い

※中身をひもとけば全て次の丸洗い工法です。

部分洗い+ドライ洗い+仕上げアイロン
ドライクリーニングとはドライ洗い+仕上げアイロンの事です。

丸洗い提供するお店はほぼこの内容のはずです。

この例にあるように、例えば当店で「大ゼイタク超スーパーウルトラきもの医洗い」と普通の丸洗い工法にも関わらずネーミングしたとします。

ですが京洗い、生洗いなどと同じように、作業工程を確認すると丸洗いとほぼ同一のクリーニング工法です。(生洗い→いきあらい・いけあらい は見解で作業工法が変わるようです)

着物初心者の方・着物クリーニング経験のあまり無い方には「まったく違う洗い方」に感じられるかもしれません。

でも手法としては丸洗い(部分洗い+ドライクリーニング)と同じか、工程に含まれるドライ洗いの回数を増やすとか、手作業を行う部分を多くしているなどしているだけです。

京洗いも生洗いもスーパーウルトラ○○洗いも基本的には丸洗いだとお考えください

業界人としては丸洗い工法を「丸洗い」と名称統一してくれれば・・・商業クリーニングを「クリーニング」と表現するように「丸洗い」で統一しても、まったく問題無いように感じています。でも各企業なりの理由があってネーミングしているのでしょうし・・・。

当店が普通「水洗い」と言うところを「みず洗い」と一部ひらがなで表現しているのは「丸洗い」と混同される方が本当に多いためです。「みず」と「丸」では読み間違えが防止できるため知らない方からは「みず洗いって?」と問い合わせが入るという考えです。カッコいいネーミングを目指している訳ではありません。そもそも「みず洗い」という表現はダサいような・・・。(^^;

おさらいが長引きました。

ひとまず『丸洗いを含む丸洗い系処置は名を問わず丸洗いと定義』=その工程で全体を洗うのはドライ洗いだ、として進めます。

丸洗いの特性を知って利用を

丸洗いは高い安全性が最大の価値


結局丸洗いした方が良いの?
→当店の解決策は・・・

特に着物に不慣れな初心者の方に向けて申し上げます。

「皆さまが着物を洗おうかしら?」とお考えの際は、当店のご利用を前提とすればまず丸洗いはお考えにならずご相談ください。

例えば汚れをチェックした結果、えりに軽い筋状汚れ、そで口内側にウデとこすれてできた軽い皮脂汚れがあるとします。

この例の着物のクリーニングは「えりそで洗い+仕上げアイロン」よりも丸洗いを行った方が、料金が安くすみます。

丸洗いにはドライクリーニングまで含まれるため、この点で有利ですし、お得です。

例)裏地付き あわせ着物の丸洗い料金
小紋・つむぎ・色無地・訪問着など
丸洗い料金:3,600円~

ドライクリーニングは世界的に見ても最高の安全性をほこるクリーニング方法で、特に日本国内で丸洗い(ドライクリーニング)を注文した場合、事故が起こるのはとてもマレです。丸洗いで事故が起きる場合、言葉が過ぎるかもしれませんが「色々な理由でその品は寿命だった」と言えます。寿命を迎えていない品ならほとんど事故が起こらないのがこの説明の理由です。

その意味で丸洗いは着物クリーニングの定番という地位を築き上げてきたのですが、初めて着物お手入れをお考えの場合などはなっから丸洗いをリスト入りする必要はありません。

着物の「目に見える部分的な汚れ」をキレイに改善する仕事・作業は、実際には手作業で行う作業(=染みしみ抜きなど)が中心です。

丸洗いは比較的汚れの少ない、着用回数が少ない着物のお手軽なクリーニングに向く、このようにお考えいただいて間違いないと思います。

ご相談の際に着物をどうキレイにしたいか、を具体的にご要望としてお知らせくださればできるだけ安くできるだけ目的が叶うよう、全力でお見積りをご案内いたします。

(できるだけ安く目的が叶うと遠くにあるネットショップでも、フシギと次回も続けてご利用いただける事が多く、そこで当店ではこの2つを高い次元で提供する事に日々必死になっているのです)

高級なお着物、想い出がいっぱいのお着物、大切なお着物、祖母・母が着て私で3代目になる振り袖着物 ───。

これらのお着物には特に安全性が高い丸洗いがピッタリです。

ただ・・・
えりをちょこちょこっと洗うだけで、
そで口内側をちょこっと洗うだけで、
気になる汚れをしみ抜きするだけで、
しわをとりたくアイロンするだけで、
当店はご利用いただけます。

お客さまが「何をどうしたいか」をお知らせくださると、さらに「ご希望予算」までお知らせいただけると目的にかなった着物クリーニングになる可能性が高まります。

ご相談の際にはぜひご要望をできるだけ詳しくお知らせくださいませ。

そしてたまたま興味を持ったのが「格安料金で正絹着物をみず洗いできる店」としてだった場合の考え方ですが・・・。

「このままでは着る事ができないのでタンスの肥やしか捨てるしか無い」と判断する着物にだけ「みず洗いへのご相談を」ご検討ください。

着物をよく着る方でもとっても迷う、安全性に少々問題がある格安着物みず洗いは、着物に不慣れな初心者の方には本当にとてもハードルが高いクリーニング法だ、とご理解いただければ幸いです。

ただし、「クサすぎてこのままでは着れない着物」の場合、話はガラッと真逆になります。

少々寸法に余裕のある着物なら、ぜひ格安着物みず洗いをご検討ください。ぜひみず洗いへのご相談をくださいませ。

そんな悩みを持つ着物へのみず洗いの事後評価は、(至らぬ点はあれど)とっても高評価・好評価をいただいています。

丸洗い、部分洗い、しみ抜き、そしてみず洗いを目的に応じて使い分けられる日本で唯一のお店です。しかも着物の汚れを安くキレイにする宣言を行っている当店ならでの強みを生かした着物クリーニング品質をお届けいたします。

もちろんお安く。

ご相談はお気軽にどうぞ。
いつでもお待ちしております!

次章:ドライクリーニングの衝撃的問題とは(準備中)

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m(_ _)m