一般的な寸法の反物たんもので身長170cmのお仕立て注意点

お手持ちの反物たんもの、これから購入しようとしている反物たんもので、身長170cmの方の着物をお仕立てする時の注意点をまとめました。

反物の大きさによっては、そのままでは寸法が足りないことがあります。先にお読みいただくと、思わぬ失敗を防げます。

先に結論

身長170cmの方は、一般的な反物では大きさがギリギリです。

特にゆき 首の真後ろからそで先までの長さ が足りるかどうかが、いちばんの関門です。

ゆきが70cmを超える方は、普通の幅の反物では出せません。

反物の「標準」とは

一般的な女性用の反物は、長さがおよそ12〜12.5メートル、幅が37〜38センチです。 ここ数年以内に制作・販売されている反物の寸法。
 昔のものは35cmよりも狭いものもありました。そのため安価な未使用品には注意が必要です。

これより大きいものを「クイーンサイズ」「キングサイズ」と呼びます。

正絹しょうけん(絹)は長期保存や水に濡れる縮みが出るものが多いです。余裕をみて13メートルほどあると安心です。

いちばん大事なのは「ゆき

ゆきとは、背中の中心から手首までの長さです。腕の長さに合わせます。

ゆきは、反物たんものの幅で上限が決まります。幅が広いほど、長いゆきが取れます。

反物の幅 取れる裄の上限
37cm(普通の幅) 約69.6cm
38cm 約71.6cm
40cm(クイーン) 約75.6cm
42cm(キング) 約79.6cm

身長170cmの方は、ゆきが70~73cm程度、「必要と感じる」方が多いです。

普通の反物幅(37〜38cm)では、ちょうど上限に張り付きます。

ゆきが70cmを超えるなら、幅40cm以上の広い反物が必要です。

長さの注意

身丈みたけ(着物の丈)は、身長と同じくらいがきれいに着られます。 対丈ついたけという、おはしょりを作らず着る仕様なら身丈が足りない事はほぼないと考えられます。

身長170cmの女性の身丈を取るには、12.5メートルでは心もとないことがあります。

絹は空気に触れている環境で長期保管すると、少しずつ縮むものが多いです。

そのため縮みちぢむ分を先に見込んで、「少しだけ長めに寸法を割り出し」て、足りるかを判断します。

生地が少し足りないとき

わずかに足りないときは、仕立て方の工夫で「いくつかの逃げ道=マイサイズを実現する方法」があります。

➊かぎおくみ
➋だましえり・ツマミえり
➌内あげ(胸の下・胴の部分に「余り生地を保管しておく場所」に別の生地生地をぐ 別の反物の用意が必要です。

➍おはしょりを作らず男性着物と同じように対丈ついたけで着丈=身長より少し短めで仕立てる
そでの一部・見頃みごろの一部・おくみなど・その他指定部分へ「別の反物たんもの」をつなぎ合わせてデザインを切り替え希望寸法にする
などです。 別の反物の用意が必要です。
 ➌と➎は割増価格が必要です。

ゆきの長さを確保するのに次の方法もあります。
そでに生地を足して長いゆきを実現する
 この方法は「割り入れわりいれという手法で、昔からある方法で正式なものです。
 ただひとつ、割り入れで作り直された着物の多くは武家などお侍さまの紳士モノ着物である点が注意ポイントです。
 割増価格が必要です。

これらの方法は生地全体をムダにせず、なおかつご希望マイサイズに近づけるための「昔ながら」の知恵です。

ただし訪問着や付下げ系の柄がつながった品や柄合わせが必要な品は、目の柄繋がりが悪く目立つ事があるため、ご希望通り使えないことがあります。

縮みちぢは生地で変わります

注染(本染め)の品は、あまり縮まないと言われています。

プリントや後染めの品は、大きく縮むことがあるとも言われます。

きもの医からのご案内

身長170cm女性の着物お仕立てで反物たんものをお持ち込みの際は、まず「幅」を測らせていただきます。

ゆきが出るかどうかを、先に確かめるためです。

幅が足りない場合は、その場で「広幅でないと出ません」または「接いでのお仕立てになります」とお伝えします。

無理なお仕立ては、着姿を損なうためです。

※寸法は体型や仕立て方で変わります。実際に出来るかどうかは、反物と採寸で確認いたします。